「山林の相続税が高い!」
というお声は度々耳にします。
そんな山林ですが、実は貸し付けられている山林であれば、放置している山林より安くなる可能性があります。
この記事では”貸し付けられている山林”の相続税評価方法について、解説しています。
山林に設定された【賃借権の価額を控除】して計算
貸し付けられている山林の相続税評価方法は、山林として評価(自用地として評価)した価額から、賃借権の価額を控除して算出します。貸し付け期間が長いほど、相続税評価額は安くなります。
「純山林」に係る賃借権の価額の計算方法
貸し付けられている純山林の相続税評価は、純山林の自用地としての価額から「純山林に係る賃借権の価額」を控除して算出します。
そして、純山林に係る賃借権の価額は、「純山林の自用地としての価額」に「残存期間に応ずる割合」を乗じて算出します。
ちなみに、この残存期間は、契約更新によって「延長されると認められる期間」も含みます。
残存期間や更新延長期間が長ければ長いほど、相続税は安くなるわけです!
それでは、気になる”残存期間に応ずる割合”を見ていきましょう!
残存期間に応ずる割合の早見表
残存期間に応ずる割合は、以下のようになります。
残存期間 | 割合 |
---|---|
10年以下のもの | 5% |
10年超15年以下のもの | 10% |
15年超20年以下のもの | 20% |
20年超25年以下のもの | 30% |
25年超30年以下のもの 及び存続期間の定めのないもの |
40% |
30年超35年以下のもの | 50% |
35年超40年以下のもの | 60% |
40年超45年以下のもの | 70% |
45年超50年以下のもの | 80% |
50年を超えるもの | 90% |
計算例
以下のような条件で貸し付けられている、純山林の相続税評価額の計算例です。
- 固定資産税評価額:160,000円
- 地積:10,000㎡
- 倍率評価地域
- 純山林の評価倍率:3倍
- 20年間の貸付契約(期間満了後は20年間の契約更新予定)で、残存期間5年
相続税評価額は、以下のようになります。
➀自用地としての価額
固定資産税評価額:160,000円 × 3倍 = 480,000円
➁純山林に係る賃借権の価額
➀ × 30%(注) = 144,000円
相続税評価額(➀-➁)
336,000円(480,000円 – 144,000円)
注:「残存期間5年+契約更新20年=25年」なので、「残存期間に応ずる割合」から30%
「市街地山林」と「中間山林」に係る賃借権の価額の計算方法
市街地山林に係る賃借権の価額は、その山林の「近隣の宅地に係る借地権の価額等を参酌して求めた価額」によって評価します。
中間山林に係る賃借権の価額は、賃貸借契約の内容や利用状況等に応じて、「純山林、又は市街地山林に係る賃借権の価額」の定めにより、求めた価額によって評価します。
おわりに
以上、『山林の相続税が安くなる?貸し付けられている山林の相続税評価方法』でした。
参考になれば幸いです。
それでは、また!
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