1月といえば償却資産申告の時期です…
しかし、初めての償却資産申告となると、手続きの方法や必要な準備が気づかず戸惑う方も多いと思います。
そこで今回は、eLTAXを使って無料で初めての償却資産申告の手順を詳しく解説します。
eLTAXという電子申告システムを利用することで、自宅やオフィスから無料で申告するができる!
eLTAXが使えるようになるための環境構築から申告完了までの手順を、画像付きでわかりやすく解説していきます。
一つ一つのステップを丁寧に説明しますので、初めての方でも安心して手続きを進めて頂けると思います。
まずはeLTAXを使えるようにするための環境を構築する
まずはeLTAXを使えるように環境を構築しましょう。
(すでにeLTAXが使える状態の方は読み飛ばしてください。)
eLTAXの環境構築は3STEPで行います。
① 利用届出(新規)を行い、利用者IDを取得します。
PCdesk(WEB版)から利用届出(新規)を行い、利用者IDを取得してください。
利用届出(新規)が完了すると、送信後の画面で利用者IDが発行されます。
② eLTAX 対応ソフトウェア(PCdesk(DL版))の取得、インストールを行う
利用届出が完了した後に、『eLTAX 対応ソフトウェア(PCdesk(DL版))』の取得、インストールを行いましょう。
こちらは全7STEPあります。面倒ですが、踏ん張りどころなので1個ずつこなしていきましょう。
STEP | 備考 |
①パソコン環境の準備 | |
②インターネットブラウザの設定 (Internet Explorer版を使用する方) |
|
③署名用のプラグインをインストール | →Edge版はこちらから |
④e-mailアドレスの準備 | |
⑤電子証明書の準備 | ただし、税理士に申告書等の作成・送信を依頼している納税者は不要です。 |
⑥利用者IDの取得 | |
⑦eLTAXポータルセンタへの接続確認 |
参考:「eLTAX のご利用の流れ②」を参照ください。
https://www.eltax.lta.go.jp/eltax/gaiyou/flow/
③ 事前準備・確認をします。
・インストールしたPCdesk(DL 版)を起動し、環境設定等を行います。
・利用者情報を確認し、必要に応じて提出先の追加・削除を行います。
→ 詳細の手順は、「PCdesk(DL版)ガイド【申告、納税等】3.利用者情報に関する手続きを行う」をご確認ください。
ここまで完了しましたら、いよいよeLTAXでの償却資産申告書の作成段階に入ります。
eLTAXで償却資産申告書を作成する
それでは、PCdesk(DL 版)にログインして「メインメニュー」画面で「申告に関する手
続き」をクリックし、表示された「申告メニュー」画面から「申告データの作成」をクリックして操作を行います。
「利用者情報確認」画面に表示された内容を確認して「次へ」をクリックし、「税目選
択」画面で「固定資産税(償却資産)」をクリックします。
④ 固定資産税(償却資産)申告書を作成する準備を行います。
では、みていきましょう。
④-1:申告区分を選択します。
申告区分選択では、「増加資産/減少資産申告」にチェックをいれましょう。
こちらを選ぶと自身で償却資産申告書を作成する一般処理方式での作成が可能となります。
もう一方の「全資産申告(電算処理方式)」は別途有料の申告ソフトを持っている場合のものですので今回は使いません。
④-2:申告者情報を登録します。
申告書に設定する申告者情報を登録し、「次へ」をクリックします。
④-3:作成方法を選択します。
次のように選んでいってください。
- 作成方法:「手入力による作成」
- 年度:申告書を提出する年度(令和6年1月21日提出するのであれば令和6年)
- 提出年月日:実際に提出する日付
- 本表のみチェック欄:初めての申告の場合は増加資産があるので、チェックしない
すべて入力したら次へを押しましょう。
⑤ 「償却資産明細登録・変更」画面で申告対象となる、複数提出先の償却資産の明細情報をまとめて入力します。
初めての償却資産申告の場合、「償却資産明細登録・変更」画面では、所有する償却資産を1つずつ登録していきます。
⑤-1:増加資産を登録します。
画面下の「増加資産登録」をクリックします。
すると「増加資産登録・変更」画面が表示されます。
資産明細を入力し、1件ごとに「登録」ボタンをクリックすると、「増加資産登録・
変更」画面を閉じずに、引き続き次の資産明細が登録できるようになります。
これを登録する件数分、繰り返します。
増加資産登録時の注意点
※1:【必須】と表示された項目は、入力・選択が必須な項目です。
※2: 「提出先」、「区・事務所等」は、あらかじめ利用届出が提出されている提出先のみがリストに表示されます。登録したい「提出先」、「区・事務所等」がリス
トに表示されない場合は、「利用者情報に関する手続き」より、提出先の追加を行ってください。
※3:「増加年月日」には、PCdesk(DL版)で明細情報を入力した年月日ではなく、実際に資産が増加した年月日を入力してください。
すべての資産を登録したら「閉じる」ボタンをクリックします。
「償却資産明細登録・変更」画面に戻り、入力した内容の明細が「償却資産明細登録・変更」画面の一番下に追加されますので、内容を確認しましょう。
⑤-2:内容を確認して、必要に応じて登録済みの資産を修正します。
内容を確認して、修正すべきものがみつかれば、その資産明細を選択したうえで、「資産修正」をクリックします。
「資産修正」をクリックすると、再び「増加資産登録・変更」画面が表示されますので、資産明細を修正し「変更」をクリックします。
「変更」ボタンをクリックすると、「償却資産明細登録・変更」画面に戻り、修正した内容で対象の明細が上書きされます。また、修正した資産明細が黄色に反転表示されます。
資産明細の登録、修正、削除が完了したら、「次へ」をクリックします。
すると、入力した償却資産明細が提出先ごとに分割され、申告データが作成されます。
⑥ 入力した償却資産明細を提出先ごとに分割し、固定資産税(償却資産)申告書を作成します。
入力した償却資産明細が提出先ごとに分割されるので、内容を確認しましょう。
表示された結果が作成したい内容と異なる場合は、「戻る」をクリックして、「償却資産明細登録・変更」画面の各償却資産明細について、増加情報が登録されていることを確認してください。
確認が終わったら、固定資産税(償却資産)申告書を作成する対象を選択し、「次へ」をクリックします。
⑦ 申告データの内容を確認し、編集します。
作成された申告データの内容を確認し、編集します。
追加で記載が必要な部分は、提出日をはじめ所有者情報、法人番号、事業種目、設立日のほか、下記の内容です。
項目 | 内容 |
---|---|
短縮耐用年数の承認 | 短縮耐用年数の承認を受けている場合は有を選択。一般的には無を選択 |
増加償却の届出 | 増加償却の届出を申請している資産があれば有を選択。一般的には無を選択 |
非課税該当資産 | 学校法人が教育に使用する資産や公益法人が使用する資産、社会福祉法人が使用する資産など、該当するものがある場合は有を選択。一般法人には該当資産がほとんどないため無を選択 |
課税標準の特例 | 課税標準の特例を受けている資産がある場合は有を選択。ない場合は無 |
特別償却又は圧縮記帳 | 法人税の申告で特別償却や圧縮記帳を摘要している場合は有、ない場合は無 |
税務会計上の償却方法 | 税務会計上の償却方法は、個人事業主は基本的に定額法のみ。法人は建物及び建物付属設備が定額法でそれ以外は基本的に定率法 |
青色申告 | 法人、個人とも青色申告の承認を受けていれば有、白色の場合は無を選択 |
取得価額 | 資産ごとに償却資産明細の「増加資産・全資産」の合計額を参考に記載※ |
※一般処理方式の場合は評価額の欄は地方自治体が計算してくれるので省略します。
編集の完了後「次へ」をクリックすると、作成した申告データが PCdesk(DL版)に
保存され、「申告データ一覧」画面が表示されます。
ここまでくれば、後は電子署名をして送信するだけです!
⑧ 電子署名を付与してポータルセンタへ送信します。
申告データに電子署名を付与します。「申告データ一覧(署名)」画面に、署名付与
が可能な申告データが一覧表示されます。
1) 署名付与を行う対象の申告データを選択し、「署名付与」をクリックします。
2) 「証明書選択」画面で署名に使用する電子証明書を選択して、「次へ」をクリックします。
3) 「証明書表示」画面に表示された内容を確認し、「次へ」をクリックして、署名を付与します。
署名を付与すると次の画面になります。
1) 送信したい申告データを選択して、「送信」をクリックします。
2) 申告データの送信が完了すると、申告データの送信結果が一覧表示されるので、送信結果を確認します。
最後にメインメニュー画面に戻って、「メッセージ照会」をクリックしたうえで、「申告受付完了通知」の結果を確認してください。
まとめ
以上、「eLTAXで初めての償却資産申告を無料で申告する方法。画像付きやり方解説」でした。
いかがだったでしょうか?
流れをもう一度まとめます。
① 利用届出(新規)を行い、利用者IDを取得する。
② eLTAX 対応ソフトウェア(PCdesk(DL版))の取得、インストールをする。
③ 事前準備・確認をする。
④ 固定資産税(償却資産)申告書を作成する準備をする。
⑤ 申告対象となる、複数提出先の償却資産の明細情報をまとめて入力する。
⑥ 入力した償却資産明細を提出先ごとに分割し、固定資産税(償却資産)申告書を作成する。
⑦ 申告データの内容を確認し、編集する。
⑧ 電子署名を付与してポータルセンタへ送信する。
といった流れです。
何でもそうですが、初年度というのは大変ですね。
2年目からは上記の④~⑧の手続きに省略されますので、幾分楽になります。
ただ、償却資産申告は年に1回しかないので、中々一連の流れを覚えるのも難しいですよね。
担当者としては大変かもしれませんが、また来年も当ブログの記事を参考に手続きをしていただけると嬉しいです。
この記事が皆さんの償却資産申告のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また!
コメント