誰もが支払っている社会保険料。
サラリーマンの方なら給料から毎月控除されているあれですね!
年金や健康保険といった社会保険は強制加入となっていて、サラリーマンでも個人事業主でも、誰もが支払っているんです。
ここで、確定申告の際に1年間に払った社会保険料を全額所得から控除できるのをご存じでしょうか?
会社勤めで年末調整をされていたら、自動的に考慮されてますが、個人事業主の方では自分で申告になるので、ついつい忘れてしまうことも・・・
今回は、そんな確定申告における社会保険料控除について説明します。
これから確定申告する方は、控除できる社会保険料を漏らしていないか注意してご覧ください。
社会保険料控除とは?
社会保険料控除は所得控除の1つで、納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。
社会保険料控除を受けると、端的に言うと所得税や住民税が安くなります。
そして定義をちゃんと読むと見逃さしちゃいけないことが3つ書いてますね!
①社会保険料は所得控除の一つ
所得税や住民税は、1年間の所得に対してかかる税金です。ただし、所得の全額に対して課税されるわけではなく、所得控除として、所得から差し引けるものがいくつかあります。
そのうちの1つが社会保険料控除。
社会保険料控除は、年間に支払った社会保険料の全額を控除できるため、うっかり忘れるとその分税金が高くなってしまいますから、気を付けておきましょう。
②家族の社会保険料を払った場合でも適用可能
社会保険料控除の対象となるのは、自分の社会保険料だけではありません。”生計を同じくする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を自分が払った”という場合にも、その支払った金額について控除が受けられます。
例えば、大学生の子供がいる場合、20歳になれば働いていなくても国民年金の加入義務が生じます。それを子供の代わりに親が国民年金保険料を払えば、親が社会保険料控除を受けられるというメリットがあるんです。
③ただし支払った分だけ!
こんなお得な社会保険料控除ですが、その控除額は支払った分だけ!
個人事業主の方だと、国民健康保険料納入通知書が届いて、そこにその年の年額が書いていますが、払ってないと控除できないことに注意しましょう!
逆に滞納していた国保を払った場合の記事はこちら👇
給与所得者は年末調整で社会保険料控除が受けられる
確定申告が必要な個人事業主などは、確定申告をすることで社会保険料控除を受けることができます。
一方、サラリーマンなどの給与所得者の場合、自分の厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料は給与から天引きされてますよね!これについては年末調整で社会保険控除が適用されています。
しかし、サラリーマンでも自動で年末調整されない場合が・・・
サラリーマンでも以下のようなケースに該当する場合、会社側は社会保険料を払っていることを把握できないため、そのままでは年末調整で社会保険料控除が受けられません!
- 会社で社会保険に加入しておらず、自分で国民年金や国民健康保険に加入している場合
- 年度の途中で就職・転職したけれど、それ以前に国民年金保険料や国民健康保険料を払っていた期間がある場合
- 家族の国民年金保険料や国民健康保険料を払っている場合
このとき年末調整で社会保険料控除を受けるには、会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に記入し、控除証明書を添付して申告する必要があります。こういうやつ👇
(ムズカしそうですね…書き方はまた別の機会に!)
ちなみに、年末調整で社会保険料控除の申告を忘れてしまった場合、確定申告すれば控除を受けることができ、払い過ぎた税金を取り戻せます。
社会保険料控除の対象となる保険料の種類と金額は?
社会保険料控除の対象になる社会保険料としては、次のようなものがあります。
国民年金保険料
国民年金保険料を払っている場合、日本年金機構から控除証明書が送られてきます。こういうやつ👇
①令和6年10月または11月に届いた方
(引用元:令和6年 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)の見方|日本年金機構)
②令和7年2月に届いた方
(引用元:令和6年 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)の見方|日本年金機構)
控除証明書を添付して確定申告すれば、社会保険料控除を受けられます。
(ちなみに無くした方は再発行もできます!マイナンバーがあると楽です。)
国民年金保険料は1カ月あたり1万6,980円(令和6年度)です。前納割引制度があるので人によって支払金額は違いますが、全額支払っていれば年間で20万円程度を控除できることになります。
また所得が多い年は国民年金の前納も検討してみてください。
厚生年金保険料
年の途中で退職した会社の厚生年金保険料については、退職した会社で源泉徴収票を発行してもらい、これを提出して確定申告します。
国民健康保険料
国民健康保険料には控除証明書がありません。社会保険料控除を受ける場合には、年間に支払った金額を確定申告書に記入します。支払金額については、毎年1月末ごろに自治体から送られてくる納付額通知書などで確認します。
介護保険料
国民健康保険に加入している40歳以上65歳未満の人は、国民健康保険料に介護保険料分が含まれているので、国民健康保険料を控除すれば介護保険料も控除できます。65歳以上の人の介護保険料は年金から天引きされていますが、これについても社会保険料控除を受けられます。介護保険料も控除証明書はないので、金額を記入するのみになります。
労働保険料
労働保険とは、労災保険料と雇用保険料のことです。労災保険料は通常会社が全額負担していますが、一人親方や中小企業の役員などで労災保険に特別加入している人は、自分で負担している労災保険料を控除できます。年度の途中で退職した会社で払っていた雇用保険料は、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」に含まれています。
国民年金基金の掛金
国民年金基金に加入して掛金を払っている場合、国民年金基金連合会から控除証明書が送られてきますので、これを添付すれば社会保険料控除の適用を受けられます。
厚生年金基金の掛金
勤めている会社が厚生年金基金に加入していれば、厚生年金基金の掛金を負担しているはずです。厚生年金基金の掛金も社会保険料控除の対象です。年度の途中で退職した場合には、源泉徴収票を添付して確定申告します。
確定申告で社会保険料控除を受ける方法
確定申告をするときには、社会保険料控除を忘れないようにしましょう。確定申告で社会保険料控除を受ける場合、次のような手順になります。
①控除証明書を用意する
①国民年金保険料、②国民年金基金の掛金について社会保険料控除を受けるには、控除証明書を確定申告書に添付して提出する必要があります。控除証明書は自宅に郵送で届いているはずなので、あるかどうか確認しておきましょう。控除証明書を紛失した場合には、再発行してもらえます。
なお、日本年金機構から送られてくる国民年金保険料の控除証明書には、その年の9月までに納付した金額しか反映されていません。10月以降支払った国民年金保険料について控除を受けるには、領収証を添付するか、日本年金機構に再度控除証明書を発行してもらって添付する必要があります。
また、控除証明書の合計額(9月までの納付済額と10月1日から12月31日までに納付が見込まれる保険料額)に金額が記載してある場合には、見込額を含めた合計額を控除することができます。
控除証明書の再発行には時間がかかります。期限ギリギリになって慌てないよう、控除証明書が手元にあるかどうかは早めに確認しておきましょう。
②確定申告書の第一表、第二表に記載
確定申告書には、次のような手順で記載します。
(1)第二表の「社会保険料控除」の欄に内訳を記入
第二表を見ると、「13.社会保険料控除」という欄があります。ここに、社会保険料の種類(例:国民年金)と支払金額を記入します。
(引用元:国税庁ホームページ©国税庁)
年度の途中で退職し、在職中の厚生年金保険料などについて確定申告で控除を受ける場合には、社会保険料の種類の欄に「源泉徴収票のとおり」と記載し、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」の支払金額を書きます。
(2)第一表の「社会保険料控除」欄に合計金額を記入
第二表に記入した社会保険料の合計額を第一表の「13.社会保険料控除」の欄に記入します。
(引用元:国税庁ホームページ©国税庁)
社会保険料控除の申請方法をきちんと確認しましょう
個人事業主の方は、確定申告するときに社会保険料控除を忘れずに適用しましょう。サラリーマンの方も、年末調整で控除を受けていない社会保険料があれば、確定申告して控除を受けることができます。
ちなみに・・・
いざ確定申告のときには、忘れそうだな~
と思った方は、freee会計での確定申告がオススメです。
○×での質問リストがあるので、それに答えていく中で「社会保険料控除」も漏れなく摘要されてしまうからです!
(引用元:freeeヘルプセンター© freee K.K.)
是非活用してみてください!
それでは、また!
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