どうも、こんにちは!
日本の税金計算では納税者の「個人的事情」を加味して、税金の負担を軽減する制度がいくつかあることを知ってますか?
子どもや高齢者の世話をしたり、自身が障害をもっていたりするなどの事情があれば、所得控除を受けることができ、結果納める税金を小さくすることができるんです。
今回はその中から『ひとり親控除』について解説していこうと思います!
ひとり親控除とは?
ひとり親控除とはシングルマザー・シングルファザーの生活難という社会問題を受け、税制面から生活難を支援するために創設された所得控除制度です。
ひとり親控除は令和2年の税制改正で新設された制度で、類似する税制である「寡婦控除」も一部改正されました。ひとり親控除と寡婦控除は制度内容が似ていますが、併用はできません。
これまで『寡婦控除』の対象だった人が『ひとり親控除』の対象となったり、所得制限が設けられたことから寡婦控除やひとり親控除の対象から外れたりするケースも多いので、注意が必要です。
下記のフローチャートを利用してどちらに当たるか確認しましょう!
※さらに詳しく知りたい方はコチラの👇記事をご覧ください。
また、年末調整でなく確定申告をしようと思っている場合は、この後紹介する「確定申告書作成コーナー」を利用すれば、質問に答えながら、どちらに該当するかの判定ができます。
ひとり親控除の適用を受けるための要件
ひとり親控除を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
- その者と生計を一にする子(他の者の同一生計配偶者または扶養親族とされている者を除き、その年分の総所得金額等の合計額が48万円以下のものに限る)
- 合計所得金額が500万円以下であること。
- その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと。
※つまり、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者、内縁の夫(妻)がいる場合は対象外となります。
ひとり親控除の判定の時期
ひとり親控除の判定時期は、その年の12月31日の時点です。
なお、結婚の回数は関係ありません。
また、事実婚や内縁の夫(妻)がいる場合には適用されません。
ひとり親控除の控除額
ひとり親控除の控除額は35万円です。
ひとり親控除の住民税の控除額
ひとり親控除は、住民税においても控除されます。
住民税の控除額は、本人がひとり親の時は30万円です。
会社で年末調整されるか、自分で確定申告をすれば、自動的に市町村にも伝わるので、住民税については特に追加の手続きは必要ありません。
ひとり親控除を受けるための手続き
ひとり親控除を受けるためには、サラリーマンなどの給与所得者の場合には、会社で年末調整が行われる際に提出する「扶養控除等(異動)申告書」の「ひとり親」欄に、記入をすればひとり親控除を受けることができます。
一方、個人事業主の方や、年末調整の際にひとり親控除の申告を忘れてしまった方は、確定申告を行うことでひとり親控除を受けることができます。
年末調整のやり方
サラリーマンやパート、アルバイトなどの給与所得者は、会社で年末調整が行われる際に、さまざまな書類を提出するよう求められます。
このうち、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「C.障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄を記入すれば、会社で年末調整が行われる際にひとり親控除が適用されます。
(引用元:令和4年分給与所得者の保険料控除申告書|国税庁 より一部加工)
令和3年(2021年)分の扶養控除等申告書では、「ひとり親」「寡婦」などのチェック項目がありますので、ひとり親控除の場合は忘れずに「ひとり親」へチェックを入れましょう。
確定申告のやり方(手書きの場合)
確定申告においては、
①第一表の「寡婦、ひとり親控除」の欄に控除額を記入します。
②第二表については「本人に関する事項」欄の「ひとり親」に〇をつければOKです。
確定申告のやり方(確定申告書作成コーナーを使う場合)
①国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスします。
②画面の指示にしたがって、所得控除の画面まで進み「寡婦・ひとり親控除」の「入力する」ボタンを押します。
③ひとり親になった理由を選びます。
④すると質問がでてくるので「はい/いいえ」で答えを選んで「次へ進む」を押します。
⑤質問の答えに応じて、「寡婦控除」or「ひとり親控除」or「適用なし」を自動判定してくれます。
この画面が出れば、ひとり親控除は適用され、確定申告書にも反映がされています。
安心して他の入力を進めて確定申告を完了させましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
サラリーマンの場合には、会社で年末調整をしてくれるのでひとり親控除について申告する必要はありませんが、年末調整を受けていない場合には、原則として自分で申告しなければひとり親控除の適用を受けることはできません。
適用できる控除があるのに申告しないままでいると、その分多く税金を支払ってしまうことになりますので、忘れずに手続きを行いましょうね!
それでは、また!
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