総務・経理・労務等、裏方業務のみなさん、こんにちは!
地獄の1月ですね。
何が地獄かって、1月はルーティン業務に加えて年末調整に、そこからの流れで税務署・市区町村への書類の提出にあけくれる時期!
筆者は、普段会計コンサルとして活動しているのですが、今年はベンチャーの総務部長も兼務することになりまして、実は総務1年目のペーペーでございます。
実際初めてこの地獄の1月を体験しまして、思ったことは・・・
という感じでした。
ゴールがわかっててもe-taxやeLTAXの操作でいちいちつまずき、小さいストレスがことあるごとに起こったりもして…ハゲそう。
ほとんど愚痴になってしまいましたが、要は、
ホントいつも会社を支えてくれてるすべての総務部に敬意を表したい!
のです。
そして同時に思ったのは、この苦労は次に活かしたい。
来年の仕事を楽にするためにも、今こうして、この記事をまとめているわけでございます。
最後に提出先や手続きに使うツールなんかもまとめましたので、自力で裏方を頑張っている方々の参考にもなれば嬉しい限りです。
※それぞれの書類の提出先やツールだけ知りたい方は”まとめ”だけ見て帰ってくれて大丈夫です!
法定調書とは?
法定調書とは、所得税法、相続税法、租税特別措置法などの規定により、税務署への提出しなければならない書類です。
税務署は、法定調書を資料として申告者の所得額や納税額を把握します。法定調書の数は、全部で60種類(令和5年1月現在)あります。
よく提出するものを抜き出して、大きく分けると以下の二つがあります。
①源泉徴収票
②支払調書
①源泉徴収票
源泉徴収票は2種類ある
源泉徴収票とは、給与・賞与と退職金の支払金額と源泉徴収税額を記載する書類です。以下の2つがあります。
給与所得の源泉徴収票
給与所得の源泉徴収票とは、給与の支払者(法人なら会社など)が従業員に支払った給与・賞与の額と、徴収した所得税額を証明する法定調書です。
退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
退職所得の源泉徴収票・特別徴収票とは、給与の支払者(会社など)が退職者に支払った退職金の額と、徴収した所得税額を証明する法定調書です。
②支払調書
支払調書とは、不動産の賃貸借料や税理士への報酬など、各種支払いの内容を記載する法定調書です。
不動産の使用料等の支払調書
不動産の使用料等の支払調書とは、その年に同一の相手に支払った、事務所や社宅、駐車場などの賃借料(家賃)などを記載する法定調書。
不動産等の譲受けの対価の支払調書
不動産等の譲受けの対価の支払調書とは、不動産、船舶、航空機のような不動産等の譲受けの対価を支払った場合に作る法定調書。
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書とは、土地・建物などの不動産を売買・賃貸する際、仲介業者に仲介手数料を支払った場合に作成する法定調書。
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書とは、弁護士や税理士など士業の方へ支払った報酬や、個人へ支払った原稿料などについて記載する法定調書。
配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書
配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書とは、株の配当金や利益剰余金の分配、配当を出した場合に作成する法定調書。
非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書
非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書とは、非居住者(日本国内に住んでいない人)に支払った国内源泉所得の金額について作成する法定調書。
法定調書の提出先
法定調書は1月31日までに、税務署に提出します。
法定調書の提出方法・ツール
提出方法には、窓口で提出、郵送、e-Tax(国税電子申告・納税システム)があります。
e-Tax等での提出が義務の場合
2年前に提出した法定調書の枚数が100枚以上だった場合、e-Taxまたは光ディスク等での提出が義務になっています。
この「100枚」という基準は、同一の法定調書ごとに集計した枚数です。「複数の法定調書で100枚以上」であれば対象外となります。
例)令和3年1月に提出した特定の法定調書の枚数が100枚以上であった場合、令和5年1月にはe-Taxまたは光ディスク等で提出する、ということになります。
注意:源泉徴収票はeLTAXでも提出できるが・・・
後ほど出てきますが、税務署に提出する源泉徴収票と、市区町村に提出する給与支払報告書は似ているため、eLTAXで同時送信ができるようになりました。
しかし実は、源泉徴収以外にも法定調書を提出する必要があるときに、eLTAXで同時送信すると面倒なことが起こる可能性もあるので、基本はe-taxでの送信がおススメです。
詳しくはコチラの記事をご覧ください👇
法定調書合計表とは
法定調書合計表とは、作成したすべての法定調書を種類ごとに集計した内容を記載した書類です。正式には「令和○年度 給与所得の法定調書合計表」といい、以下の6つの合計表で構成された様式です。
- 給与所得の法定調書合計表
- 退職所得の法定調書合計表
- 報酬、料金、契約金及び賞金の法定調書合計表
- 不動産の使用料等の法定調書合計表
- 不動産の譲受けの対価の法定調書合計表
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の法定調書合計表
法定調書合計表の提出先
法定調書は1月31日までに、税務署に提出します。
法定調書合計表の提出方法・ツール
提出方法には、窓口で提出、郵送、e-Tax(国税電子申告・納税システム)があります。
給与支払報告書とは?
給与支払報告書とは、給与支払者が給与受給者に対して支払った前年中の金額などを市区町村に提出するための書類のことです。
この給与支払報告書に記載する内容は、給与受給者本人に交付される源泉徴収票とほとんど同じであり、給与支払報告書を提出することで住民税額が決定します。
源泉徴収票との違い
給与支払報告書は源泉徴収票と似ているため、よく勘違いされることが多いです。
しかし、両者は書類の提出先と目的が大きく異なります。
給与支払報告書は「住民税と国民健康保険の計算のため」に作成して市区町村へ提出しますが、源泉徴収票は「所得税を納めていることを証明するためのもの」であり、税務署に提出を行います。
給与支払報告書の提出期限・提出先
給与支払報告書は1月31日までに、市区町村に提出します。
給与支払報告書の提出方法・ツール
給与支払報告書の提出方法には窓口で提出、郵送、eLTAXの4つの提出方法があります。
償却資産申告書とは?
償却資産申告書とは、個人や法人が所有する償却資産について、地方自治体が適切に固定資産税を計算できるよう、所有者自らが償却資産を申告するための書類です。
償却資産申告書の記載対象は事業用の償却資産であり、土地や建物については申告書を提出する必要はありません。
償却資産申告書の提出期限・提出先
償却資産申告書は1月31日までに、市区町村に提出します。
償却資産申告書の提出方法・ツール
償却資産申告書の提出方法には窓口で提出、郵送、eLTAXの3つの提出方法があります。
まとめ
以上、表にまとめると👇の感じになります。
書類 | 提出先 | 手続方法 |
法定調書 | 税務署 | e-Tax(web版)※1 |
法定調書合計表 | 税務署 | e-Tax(web版) |
給与支払報告書 | 市区町村 | eltax(ダウンロード版) |
償却資産申告書 | 市区町村資産税課 | eltax(ダウンロード版) |
※1:eltaxで給与支払報告書と源泉徴収票の同時送信もできるが、同時送信すると注意点が生まれるので同時送信しないでe-Tax(web版)での提出がオススメ
表にすると簡単なのですが、バラバラで一気に書類が届くと戸惑ってしまいがちです。
また、各々手書きするのは大変なので、是非上記のツールを使うのがオススメです。
みなさんがスムーズに地獄の1月を乗り切ることを願っています!
それでは、また!
コメント