前回、役員報酬決め方とルールについて書かせていただきました。
そこで、役員報酬の変更のタイミングは「期首から3カ月以内」というルールをお伝えしましたが、知り合いの社長からこういう質問をされました。
それでは、早速お答えしていきます!
定時株主総会を待たず、期首から役員報酬を改訂することは?
結論から言えば、期首から役員報酬を改訂することは可能です。
3月決算の法人の場合は、5月または6月の定時株主総会を待たず、4月分の役員報酬から変更することができます。
役員報酬の改定は「期首から3か月以内」に行うことが必要ですから、事業年度の最初の月に臨時株主総会を開いて役員報酬を改訂すれば3か月以内に改定が行われたことになるからです。
ただし注意点もあります!
注意点①:株主総会議事録の残し方
この場合の注意点としては、事業年度最初の月に臨時株主総会を開く際はその月から役員報酬を改定する旨の決議をすることと、5月または6月に行われる定時株主総会で、臨時株総会で決議された内容を追認する決議を行うことです。
それぞれの株主総会の決議の内容を議事録として保存しておくことも忘れないようにしてください。
※ちなみに、臨時株主総会で役員報酬の総額のみを決議し、内訳を代表取締役(もしくは取締役会)で決める場合は、取締役会議事録も残すようにしましょう。
注意点②:変更は事業年度中1回だけ
役員報酬の改定は「期首から3か月以内」に行うのがルールというと、3カ月以内なら何度も役員報酬を改定しても大丈夫と勘違いする方もいらっしゃいます。
改定は事業年度中1回です!
理由は、月によって役員報酬の額を変えたり、事業年度の途中から支給したりすることは会社の利益を恣意的に変更することになるため、『定期同額給与』というルールが設けられているためです。
なので、期首に役員報酬を改定したあとは、定時株主総会でさらに改定することはせず、同じ内容を追認するかたちにしましょう。
まとめ
以上になります。まとめると、
- 定時株主総会をまたず期首から役員報酬を改定することは可能
- その場合期首の月に臨時株主総会で決議を取る必要がある
- 定時株主総会では臨時株主総会の内容を追認する
- 臨時株主総会&定時株主総会の両方の議事録を残す
- 改定は事業年度中1回だけ
といったところです。
手続きは煩雑になりますが、上記を満たせば期首からでも役員報酬改定が可能ですので、ご要望のある方は是非参考にしてください。
それでは、また!
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