酒税とは?酒税の内容、改正から申告・納税時期まで簡単に解説

税金・税務

以前、酒造の許可申請についての記事をかかせていただきました。

酒造を始めるには酒類製造免許だけじゃダメ!営業許可まで取得方法まとめたった
みんなお酒好きかーーーい!? そして、お酒つくってみたくないかい!? 自分で答えてしまいましたが、無類の酒好きである筆者の夢が叶おうとしています。 実は最近、クライアントがクラフトビールの製造を目指すとのことで、今...

この件でいよいよクラフトビールを製造・販売するところまでたどり着いたのですが、酒造がいざ始まると避けて通れないのが、

「酒税」

これは切っても切り離せません!!

これはお酒の製造・販売を続ける限り一生ついて回ります。

しかし、意外とわかりやすい情報が出回っていない!

ということで、今回はその酒税についての概略を書いていきたいと思います。

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1.酒税について

酒税は、酒税法に基づいて規定されている間接税の一種で、お酒が出荷される際に課税さる税金になります。

酒税は製造者が納税義務者となりますが、お酒の販売価格に酒税分を上乗せして販売されるため、担税者は消費者となります。

国税の中でも一番徴収額が多い時代もありました。

酒税が課税されるものは、酒税法で「酒類」と定義されているもので、アルコール分1%以上の飲料と規定されております。

2.酒税の分類・免許

酒税は4種17品目に分類されており、それぞれ分類ごとに1㎘あたりの税率が定められております。

種類 品目
発泡性酒類 ビール、発泡酒、その他発泡性酒類
醸造酒類 清酒、果実酒、その他醸造酒
蒸留酒類 連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウィスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ
混成酒類 合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒

お酒の製造、販売にはそれぞれ資格が必要になります。

ⅰ.酒類製造免許

酒類製造免許は、酒類を製造するために必要な資格で、取得には酒類の品目や製造所ごとに管轄の税務署へ申請が必要になります。

ⅱ.酒類販売免許

種類販売免除は、酒類を販売するために必要な資格で、販売する場所ごとに管轄の税務署へ申請が必要となります。

3.酒税税率(現在)と改正

種類 品目 アルコール分等 税率
(2023.9.30迄)
税率
(2023.10.1以降)
発泡性酒類 ビール 200,000円 181,000円
発泡酒 麦芽比率50%以上又はアルコール分10度以上 200,000円 181,000円
麦芽比率25%以上(アルコール分10度未満) 167,125円 155,000円
麦芽比率25%未満(アルコール分10度未満) 134,250円 134,250円
その他発泡酒 いわゆる新ジャンル(アルコール分10度未満で発泡性を有するもの) 108,000円
ホップ及び一定の苦味料を原料としない酒類(アルコール分10度未満で発泡性を有するもの) 80,000円 80,000円
醸造酒類 清酒 110,000円 110,000円
果実酒 90,000円 90,000円
その他の醸造酒 120,000円 100,000円
蒸留酒類 連続式蒸留焼酎 21度以上
21度未満
200,000円
20度を超える1度ごとに10,000円加算
200,000円
単式蒸留焼酎
原料用アルコール
ウイスキー
ブランデー
スピリッツ
37度以上
37度未満
370,000円
37度を超える1度ごとに10,000円加算
370,000円
混合酒類 合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒 100,000円 100,000円
みりん 20,000円 20,000円
甘味果実酒
リキュール
13度以上
13度未満
120,000円
12度を超える1度ごとに10,000円加算
120,000円
粉末酒 390,000円 390,000円
雑酒 みりん類似 20,000円 20,000円
21度以上 200,000円
20度を超える1度ごとに10,000円
200,000円
21度未満

ご覧の通り2023年10月1日以降は特に発泡性酒類の税率が引き下げられました。

大手メーカーでも10月以降の税率引き下げに伴い販売価格の改定がなされておりました。

また、2026年10月以降は発泡性酒類の税率については一律155,000円となる予定にもなっております。

4.酒税の申告・納税の時期

酒類製造者はその製造場ごとに毎月、酒類を製造場から移出した月の翌月末日までに、申告書をその製造場の所在地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

クライアントA
クライアントA

なんと、製造・販売が始まると毎月申告作業が…

これを月例申告といいます。

そして、申告書に記載した納付税額を、移出した月の末日から2月以内に納付しなければなりません。

(引用元:国税庁HP酒税の申告(酒税納税申告書等))

年次の報告:酒類の販売数量等報告も…

また納税のための申告以外にも、酒類販売業者は1年に一度、税務署に販売数量などを報告する義務があります。

報告内容は、会計年度(4月~翌年3月まで)の「酒類の品目別販売数量の合計数量」と「年度末の在庫数量」です。

毎年3月頃に税務署から「酒類の販売数量等報告書」が送られてきますので、そちらに記入し、翌会計年度の4月末の提出期限までに酒類販売場等の所在地を所轄する税務署へ提出します。

(引用元:国税庁HP[手続名]酒類の販売数量等の報告手続き)

おわりに

いかがでしょうか?

酒造と酒税は切っても切り離せません。

詳細な手続きについては、また別の機会にご紹介するとして、まずはざっくりと概要をつかんでいきましょう!

それでは、また!

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